「事業計画書」作成時のポイント
まずは、「事業計画書」タスクの全体像をざっと理解したいです。
はい、分かりました。
「事業計画書」タスクの全体的なポイントを、シンプルに以下の通りまとめましたので、理解しておきましょう。
What? (何を) | 事業計画書の作成 |
When? (いつ) | 資金調達時まで(※1) |
Who? (誰が) | 「各自で作業(自製)」又は 「専門家(※2)へ委託(外注)」 |
How? (方法) | 自製のケース:事業計画書テンプレート など |
How long? (時間) | 作業時間:数日 |
How much? (費用) | 自製のケース:無料 外注のケース:数万円~数十万円 |
(※1)資金の必要性などを鑑みて、必要な時期に便宜実施
(※2)中小企業診断士、公認会計士、税理士、資金調達コンサルタント など
「事業計画書」タスク記事のまとめ
これから、「事業計画書」タスクに関する手続きなどを説明します。
結論をまずは知りたい方のために、記事内容を簡潔にまとめます。
よろしくお願いいたします。
- 事前理解
(1)事業計画書とは?
・事業計画書とは、事業内容、事業戦略、市場分析、収益見込みなどを中心に、どのようなビジネスモデルでどのくらいの収支を見込むのかを具体的にまとめた計画資料のこと。
(2)事業計画書作成の目的
・事業計画書は、自分の頭の中にあるアイデアや事業プランを可視化すると共に、資金調達先等と同じイメージを持ち自社の事業に関する議論を行うために必要なツール。
(3)事業計画書が必要な場面
・例えば、以下の場面で事業計画書が必要となる。
① 融資を受けるケース
・日本政策金融公庫など金融機関からの融資を行う際に、事業計画書が必要となる。
② 出資を受けるケース
・投資家からの出資を受ける際に、事業計画書が必要となる。
③ 補助金を受けるケース
・国や自治体からの補助金を受ける際に、事業計画書が必要となる。
(4)事業計画書作成のポイント
・利用シーンに応じた事業計画書を作成する必要があり、各シーンごとの事業計画書作成ポイントは以下の通り。
① 融資を受けるケース
・例えば、日本政策金融公庫融資の場合には、事業計画書作成の雛形が決まっており、計画書作成のポイント解説資料なども公庫から公表されているため、マニュアル等に沿った記載を心掛けること。
② 出資を受けるケース
・出資者の特性を意識した事業計画書作成の作成を心掛けること。
③ 補助金を受けるケース
・公募要領などに記載されている審査項目に対して漏れなく的確に回答することを心掛けること。
(5)創業計画書(日本政策金融公庫用)の概要
① 創業計画書で構成される記載項目
- 1. 創業の動機
- 2. 経営者の略歴等
- 3. 取扱商品・サービス
- 4. 取引先・取引関係等
- 5. 従業員
- 6. お借入れ状況
- 7. 必要な資金と調達方法
- 8. 事業の見通し(月平均)
- 9. 自由記述欄
② 日本政策金融公庫の創業の手引き
・「創業の手引き」を確認した上で、記載方法等の概要を理解 - 事前準備
・なし - 領域専門家
・「中小企業診断士」、「税理士」、「公認会計士」、「資金調達コンサルタント」など - 利用サービス
・自製のケース:事業計画書テンプレートを活用 - 作業手順~自製(日本政策金融公庫の創業計画書を利用)のケース~
Step 1(参考資料のダウンロード)【10分程】
(1)日本政策金融公庫HPより参考資料をダウンロード
Step 2(事業計画書の作成)【数時間】
(1)マニュアル等を参考としつつ、事業計画書の作成
Step 3(事業収支計画の作成)【数時間】
(1)マニュアル等を参考としつつ、事業収支計画部分の作成
なるほどです…
私はもう少し詳細に教えて欲しいので、解説をお願いします。
「事業計画書」タスクに関する事前理解
事業計画書とは?
事業計画書とは、どのような資料と理解すればよいですか?
事業計画書の捉え方は、以下をご確認ください。
・事業計画書とは、事業内容、事業戦略、市場分析、収益見込みなどを中心に、どのようなビジネスモデルでどのくらいの収支を見込むのかを具体的にまとめた計画資料のこと。
事業計画書作成の目的
事業計画書はなぜ必要ですか?
正直、わざわざ事業計画書作成に時間をかけずとも、自分の頭の中にあることを口頭で伝えれば十分な気がしています…
各起業家の方が思っている以上に、事業内容を口頭で話しても相手に明確に事業内容が伝わっていないケースが多いです。
所謂、“議論が空中戦になる(同じ土俵で議論ができない)”ことを避けるために、資料化を行うことは重要なプロセスです。
言われてみると…心当たりが。
アドバイスありがとうございます。
・事業計画書は、自分の頭の中にあるアイデアや事業プランを可視化すると共に、資金調達先や営業先などと同じイメージを持ち自社の事業に関する議論を行うために必要なツールである。
事業計画書が必要な場面
どのような場面で事業計画書が必要でしょうか?
事業計画書が必要となる代表的な場面を以下にまとました。
ご確認ください。
① 融資を受けるケース
・日本政策金融公庫など金融機関からの融資を行う際に、事業計画書が必要となる。
② 出資を受けるケース
・投資家からの出資を受ける際に、事業計画書が必要となる。
③ 補助金を受けるケース
・国や自治体からの補助金を受ける際に、事業計画書が必要となる。
事業計画書作成のポイント
事業計画書の作成ポイントを教えてください。
事業計画書を利用するケース(融資時、出資時、補助金利用時など)に応じて、資金の出し手のニーズが変わります。
よって、利用シーンに応じた事業計画書を作成することを意識しましょう。
また、事業計画書の作成ポイントを、利用シーンごとに以下にまとめましたのでご確認ください。
① 融資を受けるケース
・例えば、日本政策金融公庫から融資を受ける場合には、事業計画書の雛形が決まっていると共に、記載ポイント解説資料等も公庫から公表されているため、マニュアル等に沿った記載を心掛けること。
② 出資を受けるケース
・投資家からの出資を受ける場合には、通常は定型的なフォーマットは存在しない。
・出資者の特性(例:設立時メンバー構成が重視されるケース、事業の革新性が重視されるケース、事業収支計画の妥当性が重視されるケース など)を意識した事業計画書作成の作成を心掛けること。
③ 補助金を受けるケース
・国や自治体からの補助金を受ける際には、事業計画書をベースにしたコンペとなることが多い。
・通常、審査の際には、公募要領などで審査項目が記載されているため、審査項目に対して漏れなく的確に回答することを心掛けること。
創業計画書(日本政策金融公庫用)の概要
日本政策金融公庫の創業融資をご検討されている方は、「創業計画書雛形」と「創業の手引き」の確認を事前に行い、これから作成する創業計画書のイメージをしておきましょう。
はい、分かりました。
「創業計画書雛形」の確認
日本政策金融公庫用の創業計画書は、フォーマットや記載項目があらかじめ指定されています。
以下が、雛形となります。
創業計画書で構成される記載項目は、以下の通り。
- 1. 創業の動機
- 2. 経営者の略歴等
- 3. 取扱商品・サービス
- 4. 取引先・取引関係等
- 5. 従業員
- 6. お借入れ状況
- 7. 必要な資金と調達方法
- 8. 事業の見通し(月平均)
- 9. 自由記述欄
創業計画書の分量についてどのように感じましたか?
自分が想像していたよりかは記載すべき分量は少ないと感じましたが、自分で審査に耐えうる創業計画書を作成できるかは正直不安です…。
「創業の手引き」の確認
次に、「創業の手引」を確認してみましょう。
「創業の手引」では、創業計画書を具体的にどのように作成していくべきかの概略が説明されていますので目を通しておきましょう。
外部リンク先(参考資料 | 日本政策金融公庫(国民生活事業))
「事業計画書」タスクの事前準備
「事業計画書」タスクの事前準備には何が必要ですか?
「事業計画書」タスクは特に事前準備が必要なものはありません。
「事業計画書」作成代行の専門家
事業計画書の作成を外注する場合には、どのような専門家に作成代行を依頼すべきですか?
本業に集中したい方などは、中小企業診断士、公認会計士、税理士 などへ作成代行を依頼する方が多くいらっしゃいます。
また、創業融資など資金調達時の支援を専門に取扱う専門家もいらっしゃいます。
・中小企業診断士、公認会計士、税理士、融資コンサルタント など
無料テンプレート(エクセル等)の有効活用
「事業計画書」タスクを自製するために参考となるサービスを教えてください。
前述の通り、事業計画書の利用用途に応じて作成すべき内容が異なりますので、事業計画書のテンプレートは人によって千差万別です。
どうしても雛形を手に入れたい方は、インターネット上で事業計画書の雛形が多く公開されておりますので、ご自身のイメージに合う雛形をダウンロードして使ってみましょう。
なるほどです!
なお、日本政策金融公庫の創業融資の場合には、日本政策金融公庫から、創業計画書のサンプルや記載の手引きが公表されていますので参考にしましょう。
また、インターネット上には、事業計画書の雛形は数多くありますが、事業計画書の利用目的が決まっていない方についても、ずは、日本政策金融公庫の創業計画書を活用して、事業内容を可視化されることをおすすめします。
なるほど。
日本政策金融公庫の雛形をベースとすれば、その後の日本政策金融公庫からの融資の際にも活用できますしね。
日本政策金融公庫融資の事業計画書テンプレート
① 創業計画書記入例
・業種ごとに、創業計画書の記載例が掲載されている。
② 創業の手引+
・創業計画書の各項目での記載すべきポイントが解説されている。
外部リンク先(参考資料 | 日本政策金融公庫(国民生活事業))
一点、補足となります。
日本政策金融公庫の創業融資のテンプレートについては、A3用紙一枚の分量でコンパクトにまとめることを重視していることから、アイデアの整理やビジネスモデルの整理には若干不向きとなります。
この点は、日本政策金融公庫「創業の手引(P.11~16)」の「5. アイデアの整理」や「6. ビジネスモデルの検討」を参考にし、自身の頭の中を整理してみましょう。
「事業計画書」の作成手順
さて、本題となりますが、 「事業計画書」タスクを自製する場合の作業について教えてください。
「事業計画書」タスクの作業手順概略は、以下の通りです。
日本政策公庫の創業融資テンプレートを活用したケースについて記載しております。
作業手順概略
(1)日本政策金融公庫HPより参考資料をダウンロード
(1)マニュアル等を参考としつつ、事業計画書の作成
(1)マニュアル等を参考としつつ、事業収支計画部分の作成
作業手順説明
Step 1(参考資料のダウンロード)
参考資料とすべき資料を、以下にまとめましたのでご確認ください。
<1. 創業計画書>
① 創業計画書
・何度も記載をアップデートする必要があるため、PDFに手書きではなく、エクセルを利用するとよい。
② 創業計画書記入例
・ご自身の新事業と近しい記入例を参考とするのがよい。
③ 創業の手引き+
・記載の際のチェックリストとして活用する。
<2. 創業計画書のうち、事業収支計画部分>
④ 「月次収支計算書」及び「月次収支計算書記入例」
・月次レベルでの収支計画を検討する場合には、計算シートとして活用する。
⑤「資金繰り表」及び「資金繰り表記入例」
・キャッシュフロー(資金繰り)を確認したい場合には、計算シートして利用する。
外部リンク先(参考資料 | 日本政策金融公庫(国民生活事業))
Step 2(事業計画書の作成)
事業計画書(創業計画書)作成に際して、効率的な作成方法等を教えて頂けますでしょうか?
Step 1 でダウンロードした、「② 創業計画書記入例」及び「③ 創業の手引き+」を参考マニュアルとして活用しつつ、「① 創業計画書(エクセル)」を作成しましょう。
Step 3(事業収支計画の作成)
最後に、事業収支計画部分です。
創業計画書では、「7. 必要な資金と調達方法」、「8. 事業の見通し(月平均)」が該当します。
Step 2 と同様に、Step 1 でダウンロードした、「② 創業計画書記入例」及び「③ 創業の手引き+」を参考マニュアルとして活用しつつ、「① 創業計画書(エクセル)」を作成しましょう。
なお、月別の詳細な資金繰りなどを整理したい方は、月別収支計画書等が準備されているのでご活用ください。
外部リンク先(参考資料 | 日本政策金融公庫(国民生活事業))
教えていただき、ありがとうございました。
おわりに
確認が終わりましたら、必要に応じて以下の記事を参考にしましょう。
「事業計画書」関連タスク
実際に資金調達が必要な場面では、作成した事業計画書を上手く活用しましょう。
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