小規模事業者持続化補助金とは?
小規模事業者持続化補助金は、
小規模事業者等の地道な販路開拓等の取組みや、業務効率化の要する経費の一部を補助する制度です。
一人会社や個人事業主でも利用可能
小規模事業者持続化補助金の対象者は、法人、個人事業、特定非営利活動法人で、主に以下の3つの要件を全て満たす必要があります。
1. 従業員数の制限
業種 | 従業員数 |
---|---|
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く) | 常時使用する従業員の数5人以下 |
宿泊業・娯楽業 | 常時使用する従業員の数20人以下 |
製造業その他 | 常時使用する従業員の数20人以下 |
※常時使用する従業員には、会社役員や個人事業主本人、一定条件を満たすパートタイム労働者は含まない。
2. 資本金又は出資金が5億円以上の法人に直接又は間接に100%株式保有されていないこと(法人のみ)
3. 直近過去3年分の各年又は各事業年度の課税所得の年平均額が15億円を超えていないこと
補助率と上限
小規模事業者持続化補助金には、以下の5つの申請額が用意されています。
補助額とは、経費に補助率を乗じた金額です。
例えば、経費150万円で2/3の補助率の場合、補助上限が100万円となります。
申請枠 | 補助率 | 補助上限 | 主な条件 |
---|---|---|---|
通常枠 | 2/3 | 50万円 | なし |
賃金引上げ枠 | 2/3 (赤字事業者3/4) | 200万円 | 事業場内最低賃金が、地域別最低賃金+50円以上 |
卒業枠 | 2/3 | 200万円 | 従業員数の増加 |
後継者支援枠 | 2/3 | 200万円 | アトツギ甲子園においてファイナリスト又は準ファイナリストに選ばれたこと |
創業枠 | 2/3 | 200万円 | 「特定創業支援等事業」による支援を受けた日および開業日(設立年月日)が公募締切時から起算して3年以内 |
補助対象経費
以下の経費が対象となります。
補助対象外の経費は補助を受けられないため、必ず確認をしておきましょう。
経費の種類 | 内容 |
---|---|
①機械装置等費 | 補助事業の遂行に必要な製造装置の購入等 |
②広報費 | 新サービスを紹介するチラシ作成・配布、看板の設置等 |
③ウェブサイト関連費 | ウェブサイトやECサイト等の開発、構築、更新、改修、運用に係る経費 |
④展示会等出展費 | 展示会・商談会の出展料等 |
⑤旅費 | 販路開拓(展示会等の会場との往復を含む)等を行うための旅費 |
⑥新商品開発費 | 新商品の試作品開発等に伴う経費 |
⑦資料購入費 | 補助事業に関連する資料・図書の購入費用等 |
⑧借料 | 機器・設備等のリース・レンタル料(所有権移転を伴わないもの) |
⑨設備処分費 | 新サービスを行うためのスペース確保を目的とした設備処分等 |
⑩委託・外注費 | 店舗改装など自社では実施困難な業務を第三者に依頼(契約必須) |
経費に関する主な注意事項
■ ウェブサイト関連費
ウェブサイト関連費は、補助金交付申請額及び交付すべき補助金の額の確定時に認められる補助金総額の1/4(最大50万円)が上限とされる。また、ウェブサイト関連費のみによる申請はできません。
■ 汎用性の高いもの
汎用性が高く目的外使用になりえるもの(車・オートバイ・自転車・文房具等・パソコン等)は補助対象外
■ 経費支払い
経費の支払いは原則「銀行振込」となります。
特に、10万円を超える支払い(一括、分割問わず)については、現金支払いの場合、補助対象外となります。
■ 相見積り
100万円(税込)を超える支払いは、2者以上の相見積もりが必要です。
また、中古品の購入(50万(税抜き)未満のものであること)については、金額に関わらず全て、相見積が必須となります。
補助金活用時の留意点
補助金活用時の留意事項を以下3点紹介します。
●後払いの性質
●課税対象
●適切な事務処理
後払いの性質
小規模事業者持続化補助金は、後払い制となっています。例えば、総額150万円の補助経費で2/3の補助がある場合は、まず自社資金(自己資金や借入など)で150万円を支出し、100万円は実績報告後の受給となります。
よって、補助金受給前に事業資金150万円を全て用意しなければならない点に留意が必要です。
課税対象
事業主が法人の場合は法人税、個人事業主の場合は所得税の課税対象となります。
収益計上タイミングは、入金時ではなく、原則として、「支給決定の通知を受けた日」となります。
適切な事務処理
事業実施期間終了後、一定期間内に実施報告書や支払関連証憑等を提出する必要があります。
マニュアルに沿った提出書類が不十分の場合、支払が拒否されることがあるため留意が必要です。
スケジュール(第15回申請)
スケジュール
第15回申請のスケジュールは以下の通りです。
タイミング | イベント | 申請締切 |
---|---|---|
採択前 | 事業支援計画書交付の受付締切 | 2024年3月7日(木) |
申請受付締切日 | 2024年3月14日(木) | |
採択後 | 事業実施期間 | 2024年10月31日(木) |
実績報告書提出期限 | 2024年11月10日(日) |
申請(採択前)までの流れ
補助金採択前の申請までの流れは、以下の通りです。
1. 各種必要資料の作成
2. 経営計画書、補助事業計画書(様式2・3)の写し、希望枠や加点に関する書類を商工会議所窓口へ提出
3.「事業支援計画書」(様式4)を商工会議所より受領(※1)
4. 補助金事務局へ電子申請(若しくは郵送で提出)(※2)
採択のポイント
以下のポイントを意識して、申請資料の準備に取り掛かりましょう。
① 審査項目との整合性
・審査員は、公表されている審査項目に沿って審査を行います。よって、どんなに精緻な事業計画書を作成したとしても、審査項目に対応する記載がない場合には点数が伸びないため、しっかりと審査項目を満たすことが重要です。審査項目は「公募要領」などに記載されているため、必ず最新の資料を確認しましょう。
② 加点要素の獲得
・申請回によって変更はあるものの、小規模事業者持続化補助金には「加点項目」があります。「電子申請」などの取得可能な加点条件を満たすことで、採択を可能性高めることができます。加点項目は「公募要領」などに記載されているため、必ず最新の資料を確認しましょう(詳細は、以下「加点ポイント」参照)。
③ 申請枠の見極め
・申請枠により採択率や補助金額等が異なるため、自社事業に最も有利な採択枠を選びましょう。
④ 専門家からのアドバイス
・作成した事業計画書に対して、専門家から客観的なアドバイスを受けましょう。
加点ポイント
カテゴリ | 経費の種類 | 内容 |
---|---|---|
重点政策加点 | 赤字賃上げ加点 | 賃金引上げ枠に申請する事業者のうち、赤字である事業者に対して加点 ※賃金引上げ枠(赤字事業者)を希望した場合は、自動的に適用 |
事業環境変化加点 | ウクライナ情勢や原油価格、LPガス価格等の高騰による影響を受けている事業者に対して加点 | |
東日本大震災加点 | 福島第一原子力発電所の影響を受け避難指示等の対象となった地域に補助事業実施場所が所在する事業者及び被害を受けた水産加工業者等に対して加点 | |
くるみん・えるぼし加点 | 次世代育成支援対策推進法(次世代法)に基づく「くるみん認定」を受けている事業者、もしくは女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)に基づく「えるぼし認定」を受けている事業者に対して加点 | |
政策加点 | 賃上げ加点 | 最低賃金の引き上げが行われる中、それに加えて更なる賃上げを行い、従業員に成長の果実を分配する意欲的な事業者に対して加点 ※賃金引上げ枠を希望した場合は、自動的に適用 |
パワーアップ型加点 | ●地域資源型 地域資源等を活用し、良いモノ・サービスを高く提供し、付加価値向上を図るため、地域外への販売や新規事業の立ち上げを行う計画に加点 ●地域コミュニティ型 地域の課題解決や暮らしの実需に応えるサービスを提供する小規模事業者による、地域内の需要喚起を目的とした取組等を行う計画に加点 | |
経営力向上計画加点 | 中小企業等経営強化法に基づく「経営力向上計画」の認定を受けている事業者に対して加点 | |
事業承継加点 | 代表者の年齢が満60歳以上の事業者で、かつ、後継者候補が補助事業を中心になって行う場合に加点 | |
過疎地域加点 | 過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法に定める過疎地域に所在し、地域経済の持続的発展につながる取り組みを行う事業者に対して加点 | |
一般事業主行動計画策定加点 | 従業員100人以下の事業者で「女性の活躍推進企業データベース」に女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画を公表している事業者、もしくは従業員100人以下の事業者で「両立支援のひろば」に次世代法に基づく一般事業主行動計画を公表している事業者に対して加点 ※計画期間に「公募締切日」及び「事業者が設定した補助事業完了予定日」がいずれも含まれている場合に加点の対象となります。 |
小規模事業者持続化補助金 事務局サイト
制度の詳細や公募要領などは、以下のサイトから確認しましょう。
まとめ
小規模事業者持続化補助金は、国が継続的に募集を行っている手軽に活用できる補助金です。
上手に活用すれば、事業発展を手助けしてくれる心強い味方となります。
一方で、採択されるためには審査があり、事業計画によって合否が左右されます。
資料の作成には数日の時間を要するので、アドバイザーや商工会議所などのサポートを受ける前提で進めましょう。
当社は、補助金申請に強い専門アドバイザーと連携しております。
お問合わせ頂きましたら、専門アドバイザーと連携し、サポートをさせていただきます。
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