「補助金/助成金(IT導入補助金)」タスクのポイント
まずは、「補助金/助成金(IT導入補助金)」タスクの全体像をざっと理解したいです。
はい、分かりました。
「補助金/助成金(IT導入補助金)」タスクの全体的なポイントを、シンプルに以下の通りまとめましたので、理解しておきましょう。
※IT導入補助金は、会社設立後の第一期では申請ができません。第二期以降の資金負担軽減を見据えたタスクとなります。
What? (何を) | IT導入支援企業と連携した各種申請作業 |
When? (いつ) | 期限なし(※1) |
Who? (誰が) | 「各自で作業(自製)」 又は 「専門家(認定支援機関 等)へ委託(外注)」 |
How? (方法) | 自製のケース:「IT導入補助金公式サイト」などを参考に自製 外注のケース:「認定経営革新等支援機関検索システム」などを利用して専門家へ外注 |
How long? (期間) | 作業時間:1週間程 採択~入金までの期間:数ヶ月(最大半年程) |
How much? (費用) | 自製のケース:無料 外注のケース:数万円~数十万円 |
(※1)投資の必要性などを鑑みて、必要な時期に適宜実施。
「補助金/助成金(IT導入補助金)」タスク記事のまとめ
これから、「補助金/助成金(IT導入補助金)」タスクに関する手続きなどを説明します。
結論をまずは知りたい方のために、記事内容を簡潔にまとめます。
なお、IT導入補助金制度は随時更新がかかりますので、必要に応じて、最新の公募要領等の情報を確認ください。
よろしくお願いいたします。
- 事前理解
(1)IT導入補助金とは?
・中小企業・小規模事業者がITツール導入に活用できる補助金。
(2)類型ごとの制度概要
① 通常枠A類型
・補助額:5万円~150万円(※2023年度から下限を引き下げ)
・補助率:1/2以内
・補助対象:ソフトウェア費、クラウド利用料(1年分)、導入関連費
② 通常枠B類型
・補助額:150万円~450万円
・補助率:1/2以内
・補助対象:ソフトウェア費、クラウド利用料(1年分)、導入関連費
③ セキュリティ対策推進枠
・補助額:5万円~100万円
・補助率:1/2以内
・補助対象:サービス利用料(最大2年分)
④ デジタル化基盤導入類型枠
・補助額:350万円まで(※2023年度から下限を撤廃)
・補助率:3/4以内(50万円以下) 又は 2/3以内(50万円超~350万円)
・補助対象:ソフトウェア購入費(会計、受発注、決済、ECソフト)、クラウド利用料(最大2年分)、導入関連費
(3) スケジュール
・IT導入補助金申請から採択を経て実際に補助金が入金されるまで、数ヶ月程(最大半年程)。
(4) 採択率
・年度(申請回)によって変動があるものの、全類型平均の採択率は、2021年度は約59%、2022年度は約74%であった。
(5) IT導入補助金活用時の留意点
① 後払いの性質
・後払い制となっているため、補助金受給前に事業資金を全て用意する必要があることに留意が必要。
② 経費支出時期が限定
・事業実施期間が約4~5ヶ月と定められている。事業実施期間以外に支出した経費は認められず、結果的に、補助金が採択されたが補助金を受けられないため留意が必要。
③ 適切な証憑準備など事務処理の正確性
・事業実施期間終了後、一定期間内に実施報告書や支払関連証憑等を提出する必要がある。マニュアルに沿った提出書類が不十分の場合、支払が拒否されることがあるため留意が必要。
④ 税金(課税対象となる)
・通常、法人の場合は法人税、個人事業主の場合は所得税の課税対象となる。
⑤ 設立初年度の申請
・IT導入補助金の申請には、納税証明書の提出が必要であり、会社設立第一期は申請はできない。 - 事前準備
(1)gBizIDの取得【10分程】
・gBizIDプライムの申請及び取得
(2)SECURITY ACTION宣言の実施【10分程】
・SECURITY ACTION宣言を実施
(3)申請要件の確認【10分程】
・申請要件をチェックし、申請可否を確認 - 領域専門家
・「顧問税理士」や「認定支援機関」など - 利用サービス
・自製のケース:「ミラサポplus」、「IT導入補助金 事務局HP」 など
・外注のケース:「認定経営革新等支援機関検索システム」など を活用した認定支援機関への外注 など - 作業手順
Step 1(公募申請)【数日】
(1)ITツールの選択及びIT導入支援事業者の選定
(2)電子申請
Step 2(補助事業の実施)【数日】
(1)採択後に補助事業を実施(ITツールの発注、契約、支払)
Step 3(実績報告及び入金)【数時間】
(1)実績報告を実施し、補助金入金
なるほどです…
私はもう少し詳細に教えて欲しいので、解説をお願いします。
「補助金/助成金(IT導入補助金)」タスクの事前理解
IT導入補助金とは?
IT導入補助金とは、どのような制度か教えてください。
IT導入補助金について、以下をご参考にしてください。
制度概要については、「IT導入補助金2022 事務局HP 関連資料・動画等」に内容がコンパクトにまとまっていますので、こちらも併せてご確認ください。
・中小企業・小規模事業者がITツール導入に活用できる補助金。
外部リンク先(IT導入補助金2022 事務局HP 関連資料・動画等 | 一般社団法人 サービスデザイン推進協議会)
類型ごとの制度概要
IT導入補助金は類型ごとに制度内容が異なるようですが、それぞれの概要を簡単にご説明頂けないでしょうか?
代表的な類型ごとの概要は以下の通りです。
・ソフトウェア購入費、クラウド利用料、導入関連費、デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)は左記に加えハードウェア購入費が対象となる。
スケジュール
IT導入補助金の申請に関する一般的なスケジュールを教えてください。
以下の、過去のスケジュールをみると、申請受付締切後約1~2ヶ月で採択結果が公表されています。
採択日が交付決定日となり、そこから実績報告書提出期限まで約4~5カ月となります。
なお、申請回によって変更がありますので、常に最新の情報をご確認ください。
通常枠(A・B類型)~9次締切分~
締切日 | 2022年12月22日 |
交付決定日 | 2023年2月7日 |
事業実施期間 | 交付決定~2023年6月30日 |
事業実績報告期限 | 2023年6月30日 |
デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)~18次締切分~
締切日 | 2023年1月19日 |
交付決定日 | 2023年3月3日 |
事業実施期間 | 交付決定~2023年6月30日 |
事業実績報告期限 | 2023年6月30日 |
・採択日(=交付決定日)から実績報告期限まで最大で約4~5ヶ月。
なお、2023年度においては、以下のスケジュールとなります。
通常枠とセキュリティ対策推進枠
(一次締切分)
締切日 | 2023年4月25日 |
交付決定日 | 2023年5月31日 |
事業実施期間 | 交付決定~2023年11月30日 |
事業実績報告期限 | 2023年11月30日 |
(二次締切分)
締切日 | 2023年6月2日 |
交付決定日 | 2023年7月11日 |
事業実施期間 | 交付決定~2023年11月30日 |
事業実績報告期限 | 2023年11月30日 |
デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)
(一次締切分)
締切日 | 2023年4月25日 |
交付決定日 | 2023年5月31日 |
事業実施期間 | 交付決定~2023年11月30日 |
事業実績報告期限 | 2023年11月30日 |
(二次締切分)
締切日 | 2023年5月16日 |
交付決定日 | 2023年6月21日 |
事業実施期間 | 交付決定~2023年11月30日 |
事業実績報告期限 | 2023年11月30日 |
(三次締切分)
締切日 | 2023年6月2日 |
交付決定日 | 2023年7月11日 |
事業実施期間 | 交付決定~2023年11月30日 |
事業実績報告期限 | 2023年11月30日 |
採択率
IT導入補助金(全類型合計)の採択率については、概ね60%~70%程度で推移しています。
申請回 | 申請数 | 採択数 | 採択率 |
---|---|---|---|
2022年度 | 約70,000件 | 約52,000件 | 約74% |
2021年度 | 約52,000件 | 約31,000件 | 約59% |
活用時の留意点
① 後払いの性質
・後払い制となっている。
・例えば、総額150万円の事業で2/3の補助がある場合は、まず自社資金(自己資金や借入など)で150万円を支出する必要があり、100万円は事業期間終了後の受給となる。
・よって、補助金受給前に事業資金を全て用意する必要があることに留意が必要。
② 経費支出時期が限定
・事業実施期間が定められている。
・よって、事業実施期間以外に支出した経費は認められず、結果的に、補助金が採択されたが補助を受けられないこともあるため留意が必要。
③ 適切な証憑準備など事務処理の正確性
・事業実施期間終了後、一定期間内に実施報告書や支払関連証憑等を提出する必要がある。
・マニュアルに沿った提出書類が不十分の場合、支払が拒否されることがあるため留意が必要。
④ 税金(課税対象となる)
・通常、事業主が法人の場合は法人税、個人事業主の場合は所得税の課税対象となる。
また、IT導入補助金の申請には、納税証明書の提出が必要であり、会社設立第一期は申請はできませんので、留意が必要です。
「補助金/助成金(IT導入補助金)」タスクの事前準備
「補助金/助成金(IT導入補助金)」タスクの事前準備は何が必要ですか?
「補助金/助成金(IT導入補助金)」タスクでは、以下の3つが必要です。
- gBizIDの取得
- SECURITY ACTION 宣言の実施
- 申請要件の確認
それぞれの項目について、以下で解説します。
gBizID取得
事前に、gBizIDを取得しておきましょう。
なお、その他のタスクで「gBizIDの取得」を既に準備されている方は重複する内容のため、改めての対応は不要です。
・gBizIDは、社会保険手続き、補助金や助成金申請などの行政手続きをインターネット上で行うための「共通認証システム」。
・IDの取得は無料のため、早めに取得しておこう。
必要な時のすぐに利用できるよう、時間に余裕のあるうちに早めに取得しておきましょう。
・gBizIDは、「gBizIDプライム」、「gBizIDメンバー」、「gBizIDプライムエントリー」などいくつかの種類があるが、活用範囲が一番広い「gBizIDプライム」を取得しておくこと。
・手続きは10分程度で完了し、書類に問題がない場合は1週間程度でアカウントが発行される。
以下より、gBizIDを取得しましょう。
外部リンク先(GbizID HP | デジタル庁)
取得方法が分かるマニュアル的なものはありますか?
以下のリンク先の、「GビズID クイックマニュアルgBizIDプライム」をご覧ください。
外部リンク先(GbizID HP | デジタル庁)
SECURITY ACTION 宣言の実施
また、「SECURITY ACTION 宣言」については以下をご参考にしてください。
・独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する「SECURITY ACTION」の宣言が必要になる。
・この宣言は、中小企業・小規模事業者等自らが、情報セキュリティ対策に取組むことを自己宣言する制度で、「★一つ星」または「★★二つ星」を宣言する事を要件としている。
・申請後にロゴマーク使用可能になるまで数日~2週間程度要する。
以下より、申請を行いましょう。
外部リンク先(SECURITY ACTION自己宣言者サイトTOP)
申請要件の確認
どのような会社が、IT導入補助金を申請できますか?
IT導入補助金の補助対象者は、「中小企業/小規模事業者」であり、資本金又は従業員数で判断されます。
なお、実際の申請要件等は、最新の公募要領等をご参考ください。
・IT導入補助金においては、通常、一人会社などの小規模会社の場合は要件を満たすケースが多い。
本業に集中したい方は、専門家へ補助金申請代行を依頼
IT導入補助金の支援を外注する場合には、どのような専門家に依頼すべきですか?
IT導入補助金については、IT導入支援事業者と連携できるため、自製される方が多い印象です。
一方、本業に集中したい方など、顧問税理士や認定支援機関などの専門家へ外注する方もいらっしゃいます。
・「顧問税理士」や「認定支援機関」など
IT導入支援事業者や認定支援機関については、以下をご参考にしてください。
IT導入支援事業者は、本事業において以下の役割を担うものとされる。
1. 中小企業・小規模事業者等の生産性の向上に資するITツールを事務局に登録
2. 補助事業を進めようとする申請者に対し、適切なITツールの提案・導入・アフターサポートを実施
3. 補助事業に関する申請者からのお問い合わせ・疑問等について、事務局に代わって対応を行い、円滑な事業推進のサポートを実施
4. 申請者による補助金不正受給等の不正行為を防止し、適切な補助金交付が為されるよう、補助事業の管理・監督を実施
5. 導入されるITツールにより、申請者にとって生産性の向上効果を最大限引き出すことを支援
・認定支援機関(認定経営革新等支援機関)とは、中小企業支援に関する専門的知識や実務経験が一定レベル以上にある者として、国の認定を受けた支援機関(税理士法人、公認会計士、税理士、中小企業診断士、商工会・商工会議所、金融機関等)。
自社で作業を行う場合には、IT導入支援事業者と連携しながら実施
「補助金/助成金(IT導入補助金)」タスクを自製するために参考となるサービスを教えてください。
以下をご確認ください。
利用サービス(自製のケース)
IT導入支援補助金の採択事例がいくつか公表されていますので、ご参考にしてください。
・例えば、経済産業省(中小企業庁)公表のミラサポplusにおける「補助金の申請事例・IT導入補助金」などが参考になる。
外部リンク先(ミラサポPlus | 補助金の申請事例・IT導入補助金②)
利用サービス(外注のケース)
専門家(認定支援機関)へ外注する場合には、中小企業庁の認定経営革新等支援機関検索システムを活用して認定支援機関を探してみましょう。
・中小企業庁の認定経営革新等支援機関検索システム等を活用
外部リンク先(認定支援機関検索 | 中小企業庁)
「補助金/助成金(IT導入補助金)」タスクの作業手順
さて、本題となりますが、「補助金/助成金(IT導入補助金)」タスクを自製する場合の作業について教えてください。
「補助金/助成金(IT導入補助金)」タスクの作業手順概略は以下の通りです。
作業手順概略
(1)ITツールの選択及びIT導入支援事業者の選定
(2)電子申請
(1)補助事業の実施(ITツールの発注、契約、支払)
(1)実績報告を実施し、補助金入金
作業手順説明
Step 1(公募申請)
(1)ITツールの選択及びIT導入支援事業者の選定
まずは、IT化に関して課題のある業務や導入したいツールの目星をつけ、当該システムを取り扱っているIT支援事業者に連絡します。
IT支援事業者は「IT導入支援事業者・ITツール検索」ページから検索できるので、ご活用ください。
外部リンク先(IT導入補助金2022 事務局HP IT導入支援事業者・ITツール検索 | 一般社団法人 サービスデザイン推進協議会)
(2)電子申請
採択を高めることのできるポイントがあれば教えてください。
以下にポイントをまとめましたので、ご確認ください。
① 審査項目との整合性
・審査員は、公表されている審査項目に沿って審査を行うため、審査項目に対応した回答を記載することが重要。
・審査項目は「公募要領」などに記載されているため、必ず最新の資料を確認すること。
② 加点要素の獲得
・申請回によって変更はあるものの、IT導入補助金には「加点項目」がある。
・取得可能な加点条件を一つずつ地道に充足することで、採択を可能性高めることができる。
・加点項目は「公募要領」などに記載されているため、必ず最新の資料を確認すること。
③ 採択率の高いIT導入支援企業の選定
・これまで多くの支援を行っているIT導入支援企業では、申請時のポイントを的確に押さえた「ノウハウ」を有しているため、採択率の高い事業者を選定することで、少しでも採択可能性を高めること。
外部リンク先(ミラサポplus 補助金の申請事例・IT導入補助金② | 経済産業省(中小企業庁))
IT導入支援補助金の採択事例がいくつか公表されていますので、ご確認ください。
Step 2(補助事業の実施)
交付(採択)決定後、補助事業実施期間(約4~5ヶ月)に入ります。
交付申請を完了し、事務局から「交付決定」を受けた後に、ITツールの発注・契約・支払い等を行うことができます。
・交付決定の連絡が届く前に発注・契約・支払い等を行った場合は、補助金の交付を受けることがでないため、留意が必要。
交付申請時のマニュアルなどありますか?
交付申請時のマニュアルは、IT導入補助金事務局ホームページ(申込み方法)を確認ください。
交付申請時のマニュアルは、「交付申請の手引き(PDF)」に詳細に記載されています。
外部リンク先(IT導入補助金2023 事務局HP 申請方法 | 一般社団法人 サービスデザイン推進協議会)
・申請マニュアルをしっかり読んで、忠実に再現すること。
・疑問点などがあれば、事務局サポートセンターに電話確認を行う。
Step 3(実績報告及び入金)
実績報告はどのように実施するのでしょうか?
補助事業の完了後、実際にITツールの発注・契約、納品、支払い等を行ったことが分かる証憑を提出します。
証憑の提出は、以下の流れで行います。
1. 中小企業・小規模事業者等のみなさまが『申請マイページ』から事業実績報告に必要な情報及び証憑の添付を行い、事業実績報告を作成。
2. 事業実績報告が作成された後、IT導入支援事業者が内容の確認及び必要情報の入力を実施。
3. 最終確認後、中小企業・小規模事業者等のみなさまが事務局に事業実績報告を提出。
分かりました。疑問点などがあれば、事務局サポートセンターに電話確認を行います。
おわりに
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