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知らなきゃ損!お得なメリットが多い「認定特定創業支援等事業」とは?

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今回のトピックは、「認定特定創業支援等事業」制度を活用したお得な創業手法の紹介になります。
きっと、あまり聞き慣れない制度だと思いますが、この制度を活用することで会社設立時の登録免許税軽減や創業関連保証枠の拡大といった優遇を受けることができるため、なるべく支出を抑えたい起業家にとってはかなりお得な制度です。

特にこの制度の良さは、費用対効果が高いところ!自治体によって多少異なりますが、無料ないし少額で参加できるセミナーに受講するなどし、「特定創業支援等事業による支援を受けたことの証明書(特定創業支援等事業の証明書)」をもらうことで様々な優遇措置を受けることができます。

以下にて、「起業家」と「創業Meister」のやり取りを通して、なるべくわかりやすく「認定特定創業支援等事業」適用にあたってのポイントを解説。今まさに起業しようと奮闘中の方や起業に興味がある方、また最近起業された方も、是非最後までお読み頂き、少しでもお得に創業してください!

起業家

「認定特定創業支援等事業」タスクの全体像は、以下の創業FLOWで理解できました!「特定創業支援等事業の証明書」を取得することで、登録免許税軽減や創業関連保証枠の拡大といった、様々なメリットが得られるんですよね。

起業家

その上で、以下3点が気になりましたので、
教えていただけないでしょうか?

Q1.「特定創業支援等事業」を受講すべきタイミングはいつ?
Q2.「特定創業支援等事業の証明書」を取得する場合、創業予定の自治体以外で受講してもよい?
Q3.「特定創業支援等事業」の支援実績が多い自治体はどこ?

創業Meister

分かりました。解説いたします。

目次

「認定特定創業支援等事業」とは?そのメリットは?

創業Meister

まずは、「認定特定創業支援等事業」で最低限理解しておくべき概要を整理しました。
既にご存じの方は、読み飛ばしていただいて構いません。

「認定特定創業支援等事業」とは?

解説:認定特定創業支援等事業 とは?

・「認定特定創業支援等事業」とは、産業競争力強化法に基づいて認定された創業支援等事業計画における創業支援等事業のうち、「経営」、「財務」、「人材育成」、「販路開拓」に関する知識の全ての習得が見込まれる支援を創業者等に対して行う事業。
・令和4年6月現在で、1,285件(1,443市区町村) が認定済。
・「認定特定創業支援等事業」による支援を受けて、要件を満たした創業者(予定者含む)は、申請により「特定創業支援等事業による支援を受けたことの証明書」の交付を受けることができる。
・交付を受けた創業者は、会社設立時の登録免許税軽減や創業関連保証枠の拡大など様々な支援を受けられる。

「特定創業支援等事業の証明書」取得のメリット

解説:証明書取得のメリット(代表例)

① 登録免許税の減税(会社設立時の登記にかかる登録免許税が以下のとおり軽減)
<1. 株式会社のケース>
・資本金の0.7%から0.35%に軽減(株式会社の最低税額15万円の場合は7.5万円に軽減。
<2. 合同会社のケース>
・資本金の0.7%から0.35%に軽減(合同会社の最低税額6万円の場合は3万円に軽減)。
<3. 合名会社または合資会社のケース>
・1件につき6万円から3万円に軽減。
② 小規模事業者持続化補助金(創業枠)の活用
・50万円(普通枠)の補助金額が、創業枠を利用することで200万円に増額。
③ 日本政策金融公庫が実施する「新創業融資制度」の自己資金要件の撤廃
・創業資金総額の10分の1以上という自己資金要件を充足したものとして、制度を活用可。
④ 創業関連保証の特例
・無担保、第三者保証人なしの創業関連保証枠を利用した融資に事業開始前に申し込む場合、通常は事業開始2ヶ月前のところ、6ヶ月前から申込可能となる。
⑤ 創業助成事業の要件充足(東京都のケース)
・東京都及び公益財団法人東京都中小企業振興公社が実施する創業助成事業(助成限度額300万円)の申請要件充足。

「特定創業支援等事業の証明書」発行条件

起業セミナーの受講や経営相談の実施が、特定創業支援等事業の証明書取得条件となっていることが一般的

例えば、東京都渋谷区の事例は以下の通りです。

証明書交付申請を実施できるのは、次のすべての要件を満たしている創業者(予定者含む)です。

(1)産業競争力強化法第2条に定める創業者(次の1~3のいずれかの要件を満たす人)
1. 事業を営んでいない個人で、6か月以内に新たに事業を開始する具体的な計画を有するもの、または当該事業の開始後5年未満のもの
2. 事業を営んでいない個人で、6か月以内に新たに会社を設立して事業を開始する具体的な計画を有するもの、または当該新会社の設立後5年未満のもの
3.会社(中小企業者)でその事業の全部または一部を継続して実施しつつ、新会社を設立し、当該新たに設立された会社が事業を開始する具体的な計画を有するもの、または当該新会社の設立後5年未満のもの

(2)産業競争力強化法第2条に定める創業者(次の1~3のいずれかの要件を満たす人)
1. 創業セミナーについて、経営・財務・人材育成・販路開拓の講義を受け、1か月以上かつ4回、交流会含む合計5日間出席した者を「特定創業支援等事業」を受けた者と認定する。
2. 創業個別セミナーについて、経営・財務・人材育成・販路開拓の講義を受け、1か月以上かつ5日間に出席した者を「特定創業支援等事業」を受けた者と認定する。
3. 創業スクール、SHIBUYAベンチャー予備校、起業相談・インキュベーション事業、起業セミナー・インキュベーション事業、事業計画策定個別支援事業、創業者面談事業について、各事業で定める修了の要件を満たしたものを「特定創業支援等事業」を受けた者と認定する。

外部リンク先

東京都渋谷区での創業を希望される方は、以下より詳細な内容を確認することができます。

創業Meister

以上が、「認定特定創業支援等事業」の概要になります。
続いて、本題である、以下ご質問の内容について解説して参ります。

Q1.「特定創業支援等事業」を受講すべきタイミングはいつ?
Q2.「特定創業支援等事業の証明書」を取得する場合、創業予定の自治体以外で受講してもよい?
Q3.「特定創業支援等事業」の支援実績が多い自治体はどこ?

起業家

よろしくお願いいたします。

「特定創業支援等事業の証明書」を取得すべきタイミング

「特定創業支援等事業の証明書」はなるべく早く取得するに越したことはない

「特定創業支援等事業の証明書」を取得するためには、最低2カ月程度要します。
また、通常、起業塾などのセミナーについては実施時期や回数に限りがあり、年1回の受講機会しかない自治体もあります。
申請予定の自治体のホームページ(HP)等で実施時期・回数などを早め(年度初めの4月や5月)に確認しておきましょう。

「特定創業支援等事業の証明書」を取得するため、各自治体HPの確認を年度初めの4月や5月に実施するとよい

4月~5月に「認定特定創業支援等事業」の案内が各自治体より公表されることが多い

以下は、Ubersuggestを活用して「認定特定創業支援等事業」の検索ボリュームを可視化したグラフになります。
ご覧いただくとわかるように、検索ボリュームは5月にピークを迎えています。
これは、各自治体が年度ベースで予算を組み、「認定特定創業支援等事業」に関する案内などが年度初めの4月より開始されることが多いことも要因の一つと考えられます。
従って、「認定特定創業支援等事業」のメリットを得る第一歩として、各自治体HPの確認はお早めに実施してください。

「認定特定創業支援等事業」ワード検索ボリューム数(出典:Ubersuggest)

創業予定の自治体以外で支援を受けてもよい?

本事業は、市区町村が創業支援等事業者と連携して実施し、創業者等の支援を行う事業となるため、セミナーや経営相談を実施した自治体で創業することが、各自治体での「特定創業支援等事業の証明書」発行条件となっています。
従って、創業予定の自治体で「特定創業支援等事業」の支援(セミナーや経営相談等)を受けるようにしてください。

創業予定の自治体で「特定創業支援等事業」の支援を受ける必要がある

「特定創業支援事業」の支援実績が多い自治体

各自治体の「特定創業支援事業」支援実績の分析を実施しました。

中小企業庁が公表している、最新の「産業競争力強化法に基づく創業支援等事業計画による支援実績(令和3年度)」(令和5年1月20日公表)を参照とし、各自治体の支援実績の分析を実施

同資料内に詳細な定義の記載などが確認できなかったため、分析にあたっては以下の前提を置いております。

主な前提
・分析にあたっては、同資料の「特定創業支援事業合計【延数】」の目標値及び実績値を利用
・「特定創業支援事業 創業者数」は、「特定創業支援事業 支援対象者」のうち実際に起業に至った者と定義

創業Meister

分析結果は以下の通りです。
早速内容を確認していきましょう。

創業支援者数(自治体別)_トップは福岡市

特定創業支援事業制度を活用した数を集計した、各自治体別創業支援者数ランキングTOP10は以下の通りです。

1位 福岡市(福岡県):3,728件
2位 豊橋市(愛知県):3,303件
3位 浜松市(静岡県):2,812件

4位 さいたま市(埼玉県):2,466件
5位 新潟市(新潟県):2,205件
6位 仙台市(宮城県):2,203件
7位 中野区(東京都):2,097件
8位 広島市・海田町・府中町(広島県):1,710件
9位 札幌市(北海道):1,621件
10位 名古屋市(愛知県):1,577件

スタートアップ誘致に積極的な福岡市がトップ

外部リンク先

福岡市での創業を希望される方は、以下より詳細を確認することができます。

創業者数(自治体別)トップは浜松市

次に、創業者数のランキング。各自治体別創業者数ランキングTOP10は以下の通り。

1位 浜松市(静岡県):464件
2位 広島市・海田町・府中町(広島県):399件
3位 さいたま市(埼玉県):397件

4位 福岡市(福岡県):393件
5位 倉敷市・早島町(岡山県):393件
6位 横浜市(神奈川県):377件
7位 岡山市(岡山県):352件
8位 新潟市(新潟県):349件
9位 渋谷区(東京都):318件
10位 別府市(大分県):275件

「日本一の起業家支援都市 浜松」を掲げる浜松市がトップ

外部リンク先

浜松市での創業を希望される方は、以下より詳細を確認することができます。

実際起業率(自治体別)_トップは岐阜市

また、「起業セミナー」や「経営相談」を受けた後、実際に起業まで至った割合を「実際起業率(※1)」と定義して分析を行いました(ただし、「特定創業支援事業 創業者数」30者以上の自治体に限定)。
結果は、実際起業率の全国平均が20.1%、市区町村別実際起業率ランキングTOP10は以下の通りです。

(※1)実際起業率
「特定創業支援事業 支援対象者」に占める「特定創業支援事業 創業者数」の割合を「実際起業率」と定義。

1位 岐阜市(岐阜県):97.7%
2位 桜井市(奈良県):82.9%
3位 渋谷区(東京都):81.7%

4位 湖西市(静岡県):72.7%
5位 高山市(岐阜県):70.6%
6位 中津川市(岐阜県):69.8%
7位 別府市(大分県):69.8%
8位 高砂市(兵庫県):67.9%
9位 国立市(東京都):67.2%
10位 佐伯市(大分県):64.7%

岐阜市がトップ

外部リンク先

岐阜市での創業を希望される方は、以下より詳細を確認することができます。

実際起業率(都道府県別)_トップは岐阜県

実際起業率を都道府県別に分析した結果は以下の通り。

1位 岐阜県:45.1%
2位 山梨県:44.9%
3位 福井県:44.3%

4位 高知県:42.7%
5位 長崎県:37.8%
6位 和歌山県:36.4%
7位 神奈川県:35.5%
8位 青森県:35.4%
9位 京都府:31.3%
10位 佐賀県:31.2%

大都市に比べて地方都市の実際起業率が高いことが分かる

まとめ

「認定特定創業支援等事業」とは

産業競争力強化法に基づいて認定された創業支援等事業計画における創業支援等事業のうち、「経営」、「財務」、「人材育成」、「販路開拓」に関する知識の全ての習得が見込まれる支援を創業者等に対して行う事業。
令和4年6月現在で、1,285件(1,443市区町村) が認定済。

「特定創業支援等事業」による支援を受けて、一定の要件を満たした創業者(予定者含む)は、申請により「特定創業支援等事業の証明書」の交付を受けることができる。
具体的には、会社設立時の登録免許税軽減や創業関連保証枠の拡大などの様々な支援を受けられる。

「特定創業支援等事業の証明書」発行条件

起業セミナーの受講や経営相談の実施が、特定創業支援等事業の証明書取得条件となっていることが一般的

「特定創業支援等事業」を受講すべきタイミング

「特定創業支援等事業の証明書」を取得するため、各自治体HPの確認を年度初めの4月や5月に実施するとよい

「特定創業支援等事業の証明書」を取得する場合、創業予定の自治体以外で受講してもよいか

創業予定の自治体で「特定創業支援等事業」の支援を受ける必要がある

「特定創業支援事業」の支援実績が多い自治体

福岡市、豊橋市、浜松市などが「特定創業支援事業」の支援実績が多い

今回は、「認定特定創業支援等事業」に関し、本制度の概要から、実際に適用する際の疑問点を整理中小企業庁の公表データを用いて各自治体の「特定創業支援事業」の実績データの分析を行いました。

本文でも記載した通り、費用対効果の高い制度である一方で、あまり認知度が高くない制度であり、その結果、自治体によって運用規模や実績に差が生まれている印象があります。

起業の成否は、創業者の意思や力量によるところが大きいことはもちろんですが、起業しやすい環境であるかも重要な要素の1つであり、「特定創業支援等事業」を積極的に行っている自治体は、そうでない自治体に比べ、「起業しやすい環境」と言えるのではないかと考えます。

当記事に掲載した各自治体の「特定創業支援等事業」の支援実績に関する定量的なデータをご覧頂き、次のアクション検討にお役立ちできれば幸いです。

なお、本来的には、自治体間で施策内容に大きな差がある状況はあまり好ましいことではないため、国や各自治体側でより詳細なデータ収集・分析を行い、起業に直結するセミナーの充実、先進的な取組や実際起業家を多く輩出している自治体の成功モデルを横展開していくなど、日本全体として起業数向上に繋がる施策を検討、実施していく必要があると考えます。

創業Meister

各自治体での「特定創業支援等事業」の取組みの紹介や、
当記事に関するお問い合わせなどは、以下よりお願いいたします。

創業Meister

また、「認定特定創業支援等事業」タスクについては、
以下をご参考にしてください。

「認定特定創業支援等事業」タスクの創業DIY記事

創業FLOWで確認したい方はコチラ

創業MENUで確認したい方はコチラ

創業MOVIEで確認したい方はコチラ

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