「創立費 開業費」タスクのポイント
まずは、「創立費/開業費」タスクの全体像をざっと理解したいです。
はい、分かりました。
「創立費/開業費」タスクの全体的なポイントを、シンプルに以下の通りまとめましたので、理解しておきましょう。
What? (何を) | 創立費/開業費は 経費として計上できるため、記帳作業を実施 |
When? (いつ) | 事業(営業)開始までの費用が対象となるため、事業(営業)開始まで実施 |
Who? (誰が) | 「各自で実施(自製)」又は「税理士と顧問契約等を締結し委託(外注)」 |
How? (方法) | 自製のケース:「エクセルテンプレート」 又は 「会計システム」(※1)を活用 外注のケース:税理士へ外注 |
How long? (時間) | 作業時間:数時間(※2) 集計期間:数ヶ月(※2) |
How much? (費用) | 自製のケース(エクセルテンプレート利用時):無料 自製のケース(会計システム利用時):有料(月額1~3千円程)(※3) 外注のケース:月額数万円(税理士への月額顧問報酬) |
(※1)既に会計システムを契約している場合。
(※2)集計量や期間に応じて、作業時間/期間は変動。
(※3)ミニマムプラン利用時の相場。
「創立費 開業費」タスク記事のまとめ
これから、「創立費/開業費」タスクに関する手続きなどを説明します。
結論をまずは知りたい方のために、記事内容を簡潔にまとめます。
よろしくお願いいたします。
- 事前理解
(1) 創業費/開業費とは?
・「創立費」は、会社設立準備開始~会社設立(登記)日までに要した費用。
・「開業費」は、会社設立後~営業活動開始日までに要した費用。
・個人事業主として事業を立ち上げる場合は、「法的に会社を立ち上げる」というステップがない(「登記」の概念がない)ものと考え、全て「開業費」の範疇と捉える。
(2) 創業費/開業費の集計期間
<1. 法人のケース>
【創立費】
・3ヶ月程
【開業費】
・会社設立~開業までの期間
<2. 個人事業主のケース>
【開業費】
・1年程
(3) 創業費/開業費の集計範囲
<1. 法人のケース>
【創立費】
・印鑑証明書の発行手数料、設立登記時の印紙代、設立前のオフィス賃料、設立前の社員の給料、事務用備品(文具、名刺、印鑑、ロゴなど)、会議費、交通費 など。
【開業費】
・以下に記載の個人事業主の開業費の範囲のうち、経常的な支出を除いた、開業準備のために特別に支出した費用。具体的には、広告宣伝費、印鑑や名刺等の制作費、打ち合わせ費用 など。
<2. 個人事業主のケース>
【開業費】
・広告宣伝費、印鑑や名刺等の制作費、打ち合わせ費用、事務所の椅子や机などの事務用消耗品、エアコンや加湿器などの事業用備品類、オフィス貸借料、水道光熱費、インターネット等通信費、従業員の人件費 など。 - 事前準備
・なし - 領域専門家
・税理士 - 利用サービス
・自製の場合:「エクセルテンプレート」や「会計システム」 の利用 - 作業手順
Step 1(利用サービスの決定)【10分程】
(1)「エクセルテンプレート利用」 or 「会計システム利用」の決定
Step 2(記帳)【数時間】
(1)支出ごとに、利用日、金額、内容等を集計
(2)領収書等の証憑を保管
Step 3(会計システムへの反映)【10分程】
(1)営業開始前後、集計した創立費/開業費を会計システムへ反映(「エクセルテンプレート利用」のケース)
なるほどです…
私はもう少し詳細に教えて欲しいので、解説をお願いします。
「創立費 開業費」タスクの事前理解
「創立費 開業費」とは?(それぞれの違い)
そもそも、「創立費」と「開業費」って名前が異なりますが、何か違いがあるのですか?
まずは、「創立費」と「開業費」の定義や、それぞれの違いを理解しましょう。以下をご参考にしてください。
<創立費とは?>
・「創立費」は、会社設立準備を開始してから法的に会社設立(登記日)された期間で必要となった費用。
<開業費とは?>
・「開業費」は、会社設立後に実際に営業活動を開始するまでにかかった費用。
すなわち、「創立費」⇒『開業日(登記日)』⇒「開業費」の順序となります。
「創立費 開業費」の集計期間(いつまで集計可能か?)
<法人のケース>
・創立費:3ヶ月程
・開業費:会社設立~開業までの期間
<個人事業主のケース>
・開業費:1年程
法人と個人事業主のケースで集計期間に差がありますので、
留意しておきましょう。
・特に税法上の定めはないものの、実務上の目安として、法人の場合の創立費は3ヶ月程度、個人事業主の開業費は1年程度が集計期間の目安とされることが多い。
「創立費 開業費」の集計範囲
<法人のケース>
【創業費】
・オフィス賃借料、印鑑証明書の発行手数料、設立登記時の印紙代、設立前のオフィス賃料、設立前の社員の給料、事務用備品(名刺、印鑑、ロゴなど)、会議費、交通費 など
【開業費】
・以下に記載の個人事業主の開業費の範囲のうち、経常的な支出を除いた、開業準備のために特別に支出した費用。具体的には、広告宣伝費、印鑑や名刺等の制作費、打ち合わせ費用 など
<個人事業主のケース>
【開業費】
・広告宣伝費、印鑑や名刺等の制作費、打ち合わせ費用、事務所の椅子や机などの事務用消耗品、エアコンや加湿器などの事業用備品類、オフィス貸借料、水道光熱費、インターネット等通信費、従業員の人件費 など
ただし、以下の費用は、創立費/開業費の集計対象外となるためご留意ください。
【10万円以上する資産】
・1個あたりの10万円以上する備品や機械は、原則的として「固定資産」計上するため。
【商品など仕入代金】
・販売目的で購入した商品や原材料は、「売上原価」になるため。
【敷金や加盟金】
・敷金や加盟金など後日返金される性質のため。
メモメモ…
「創立費/開業費」タスクの事前準備
「創立費/開業費」タスクの事前準備には何が必要ですか?
「創立費/開業費」タスクで、特に事前準備が必要なものはありません。
顧問税理士への「創立費 開業費」集計業務の外注
業務を外注する場合には、どのような専門家に依頼すべきですか?
税理士と顧問契約を締結して外注することになります。
・税理士
営業活動などに注力したい場合など、税理士と記帳を含む顧問契約を締結するケースでは、創立費/開業費の集計の段階から税理士へ外注することができます。
ただし、領収書等の証憑は各自でしっかりと保管しておきましょう。
「創立費 開業費」集計のためのエクセルの活用
創業費/開業費の集計を行う際に利用するサービスを教えてください。
以下をご確認ください。
利用サービス(自分で実施するケース)
「エクセルテンプレート」を活用するケースか、「会計システム」 を利用するケースかのいずれかに分かれます。
それぞれどのような違いがあるのですか?
「エクセルテンプレート」を活用する場合、無料で集計可能というメリットがありますが、改めて会計システムへ入力する手間が生じます。
一方で、「会計システム」を利用する場合には、入力の二度手間を防ぐメリットはありますが、会計システム利用料が生じるといったデメリットがあります。
なるほどです。
<1. エクセルテンプレートを活用するケース>
・インターネット上の無料テンプレート等を活用して自ら集計をケース。
・会計システムへの入力は、別途会計システムの利用時に実施する。
<2. 会計システムを利用するケース>
・大手会計ベンダーが提供する会計ソフト等を活用し記帳するケース。
「1. エクセルテンプレート」を活用するケース
インターネット上に無料テンプレートがあるかと思いますので、使い易そうなテンプレートがあればダウンロードしてご利用ください。
支出ごとに、利用日、金額、内容等を集計しておくとよいです。
「2. 会計システム」を活用するケース
会計システムをこの段階で利用する場合には、大手会計ソフトベンダーが提供するサービスを利用することが多いです。
外部リンク先
(商品/サービス概要)
・無料から使えるクラウド会計ソフト freee。
・初めての決算書作成や確定申告も、簡単に行える。
・中小企業の経理・会計を支えるシェアNo.1のクラウド会計ソフト。
利用サービス(外注のケース)
税理士との顧問契約を、記帳作業込みの業務依頼を行うことで、開業費/創立費の集計から税理士へ業務をお願いすることができます。
・税理士との顧問契約を締結し外注。
「創業費 開業費」タスクの作業手順
さて、本題となりますが、自製を前提とした場合の、「創業費/開業費」タスクの作業について教えてください。
「創業費/開業費」タスクの作業手順概略は以下の通りです。
作業手順概略
(1)「エクセルテンプレート利用」 or 「会計システム利用」の決定
(1)各支出ごとに、利用日、金額、支出内容等を集計
(2)領収書等の証憑の保管
(1)営業開始前後、集計した創立費/開業費を会計システムへ反映(「エクセルテンプレート利用」のケース)
作業手順説明
Step 1(利用サービスの決定)
創立費/開業費の集計を自製する場合には、「① エクセルテンプレートへ入力するケース」と「② 会計システムへ入力するケース」の2つがあります。
どちらのケースがよいですか?
ケースバイケースですが、営業開始が迫っている場合には、会計システムをこの段階で利用開始してもよいと思います。
一方、営業開始まで数ヶ月以上要するような場合には、コスト削減の観点から、一旦はエクセルテンプレートへの記入でよいでしょう。
・営業開始までの期間やコスト等を考慮して、利用サービスを選択する。
Step 2(記帳)
記帳はどのような点に留意して行えばよいですか?
記帳時のポイントを以下にまとめましたので、参考にしてください。
・「日時」「金額」「支出内容」は集計しておくこと。
・領収書等の証憑を保管しておくこと。
Step 3(会計システムへの反映)
無事に開業準備が終わった際に、これまで集計した創立費/開業費はどのようにすべきですか?
エクセルテンプレートを利用している場合には、集計した創立費/開業費を、会計システムへ反映する必要があります。
利用している会計システムにより入力方法は異なると思いますが、「創立費」と「開業費」のそれぞれの勘定科目で、貸借対照表(B/S)に入力します。
・エクセルテンプレートへ集計した金額を、「創立費」又は「開業費」として、会計システムへ集計。
<仕訳例(個人事業主のケース)>
(開業費)●●円 / (現金 or 元入金)●●円
※開業前の支出など、代表者が事業準備費用を立て替えている場合には、“元入金”として計上する。
<仕訳例(法人のケース)>
(開業費 or 創立費)●●円 / (現金 or 役員借入金)●●円
※会社設立前の支出など、代表者が事業準備費用を立て替えている場合には、“役員借入金”として計上する。
おわりに
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