「銀行口座」タスクのポイント
まずは、「銀行口座」タスクの全体像をざっと理解したいです。
はい、分かりました。
「銀行口座」タスクの全体的なポイントを、シンプルに以下の通りまとめましたので、理解しておきましょう。
What? (何を) | 事業用の銀行口座開設(※1) |
When? (いつ) | 会社設立後、銀行口座開設に必要な事前準備が整い次第速やかに実施 |
Who? (誰が) | 各自で金融機関にて申込み(自製) |
How? (方法) | 金融機関の申込み手順等に沿う |
How long? (期間) | 作業時間:2時間程 申込み~口座開設までの期間:数日~1ヶ月程 |
How much? (費用) | 無料 |
(※1)ネットバンク系とそれ以外の銀行口座の計2つの事業用銀行口座を開設することを推奨。
「銀行口座」タスクのまとめ
これから、「銀行口座」タスクに関する手続きなどを説明します。
結論をまずは知りたい方のために、記事内容を簡潔にまとめます。
よろしくお願いいたします。
- 事前理解
(1)事業用銀行口座開設のメリット
・銀行口座を開設することで、例えば以下のメリットがある。
① 社会的信用性の向上
・銀行口座開設には、銀行による厳しいチェックが実施されるため、口座開設により社会的信用力が向上する。
② 経理の効率化
・プライベートの支出との区別が明確になり、経理や確定申告作業等の効率が向上する。
③ 事業用クレジットカードの作成
・法人用銀行口座があることで、事業用クレジットカードを作成できる。
④ 金融機関からの融資時の利用
・金融機関からの融資実行の振込先として、借入主体と同一名義の専用口座が必要となる。
(2)金融機関の種類など
・口座開設先の候補としては、メガバンク、地方銀行、信用金庫、ネットバンク等があり、それぞれのメリット・デメリットを考慮の上で口座開設先を選定すること。
・銀行口座開設に際しては、「ネットバンク系」と「ネットバンク系以外」の銀行口座をそれぞれ1つ、合計2つの銀行口座を開設することが推奨される。
(3)銀行口座開設のポイント
・以下の審査上のポイントを押さえ、銀行口座申込みを行うこと。
① 事業内容
・投資性の高い事業や、事業内容が曖昧な事業は不利となる可能性有。
② 資本金の金額
・資本金が多い方が有利。
③ 事務所の有無
・特に、バーチャルオフィスは不利となる可能性有。
④ ホームページの有無
・事業実態や事業内容の確認に利用される場合があるため、準備しておくことが望ましい。
⑤ 事業用電話の有無
・「03番号(東京のケース)」などの市外局番があった方が望ましい(必須ではない)。
⑥ 資料内容不備
・口座開設時に求められている資料を正確に提出すること。 - 事前準備
会社設立が完了しているだけでなく、以下の事前準備を実施すること。
(1) 銀行印の準備【1時間程】
個人で銀行口座を開設する場合同様、口座開設に際しては銀行印の登録が必要となる。
(2) 事業用電話の準備【1時間程】
市外局番などの事業用電話番号の準備を行う。
(3) 会社ホームページの準備【数時間】
事業の実態や内容を説明するために、会社ホームページの準備を行う。 - 領域専門家
・なし - 利用サービス
・金融機関口座開設サービス - 作業手順
Step 1(銀行口座開設先の選定)【1時間程】
(1)各自のニーズに合った口座開設先金融機関を選定
Step 2(必要書類の準備)【1時間程】
(1)登記簿謄本等の必要書類を準備
Step 3(銀行口座申込み)【1時間程】
(1)申込みフォームへの記入等を通じて銀行口座開設申請
(2)追加書類の提出等(必要に応じ実施)
なるほどです…
私はもう少し詳細に教えて欲しいので、解説をお願いします。
「銀行口座」タスクの事前理解
事業用口座開設のメリット
銀行口座が必要なことはわかるのですが、具体的にどのようなメリットがありますか?
事業用口座開設のメリット(必要性)以下にまとめましたのでご確認ください。
① 社会的信用性の向上
・銀行口座開設には、銀行による厳しいチェックが実施されるため、口座開設により社会的信用力が向上する。
・また、個人名義の銀行口座を通じて取引を行う場合、税務署から会社とプライベート混同を懸念される可能性を疑われたり、取引先から、法人口座を開設できない会社であるとの疑念を抱かれる可能性がある。
② 経理の効率化
・事業用の銀行口座を開設することで、プライベートの支出との区別が明確になり、経理や確定申告作業等の効率が上がる。
③ 事業用クレジットカードの作成
・事業用クレジットカードを作成するためには、事業用クレジットカードを契約する法人と同じ名称の銀行口座の登録が必要である。
④ 金融機関からの融資時の利用
・法人が金融機関より融資を受ける際には、その振込先としての法人専用口座が必要。
金融機関の種類など
また、ひとことで銀行口座といっても、口座開設先の候補としては、メガバンク、地方銀行、信用金庫、ネットバンク等様々あります。
以下に説明内容をまとめましたので、ご参考ください。
金融機関タイプ | メリット | デメリット |
---|---|---|
1. メガバンク | 知名度が高く、日本はもちろん、海外にも支店や提携銀行があり、取引範囲が広い 審査が厳しい分、口座を持つことで信用度が高まる 融資以外にも、金融に関するさまざまな相談が可能 | 口座開設のための審査が厳しい ネットバンクと比較すると利用料や手数料が相対的に割高 |
2. 地方銀行 | 口座を持つことで、その銀行の営業区域内における会社の信用力が高まる 地域に根差しているため、親身に相談に乗ってくれる傾向がある | 営業区域外では実店舗は少ない ネットバンクと比較すると利用料や手数料が相対的に割高 |
3. 信用金庫 | 中小企業の資金需要に特化しているため、メガバンクや地方銀行の審査に落ちた場合でも口座開設できる可能性がある 地域に根差しているため、親身に相談に乗ってくれる傾向がある | 営業区域内に事務所がないと、原則は利用できない 営業区域外では実店舗が少ない ネットバンクと比較すると利用料や手数料が相対的に割高 |
4. ネットバンク | 24時間365日インターネット上で振込や決済が可能 振込手数料が相対的に低い | 税金や公共料金支払に対応していない場合が多い |
どの金融機関で口座を開設するかは個々人の自由ですが、振込手数料が割安なネットバンクを経費支払用に、そして、売上等の入金(信用向上目的含む)用にネットバンク以外の金融機関口座を利用するといったケースが考えられます。
・「ネットバンク系」と「ネットバンク系以外」の2つの銀行口座の開設を推奨。
ありがとうございます!
ちなみに、法人ではなく個人事業主として事業を行う場合にも新たに銀行口座を開設する必要はありますか?
個人事業主の場合にも、専用の銀行口座は用意したほうが良いです。
理由としては、銀行口座を開設することでプライベートとの区別が明確になり、経理処理や確定申告等の管理業務の効率が上がるからです。
ただし、屋号付の口座である必要はなく、通常の個人用口座を利用されているケースも多いです。
メモメモ…
銀行口座開設のポイント
銀行口座開設時のポイントを以下にまとめましたのでご参考ください。
これは重要なポイントですね…
しっかりと押さえておきます。
① 事業内容
・投資性の高い事業や、事業内容が曖昧な事業は、審査で不利となる。
② 資本金の金額
・資本金の金額は、銀行口座開設審査の側面では多い方が良い。法人の場合には、100万円以上を目標に。
③ 事務所の有無
・会社の実態確認として必要となる。特に、バーチャルオフィスは不利になる傾向にある。
④ ホームページの有無
・事業実態や事業内容の確認として、会社ホームページが確認される場合がある(起業直後の場合は、ホームページの有無は必須ではない)。
⑤ 事業用電話の有無
・「03番号(東京の場合)」など市外局番があった方がよい(ただし、近年の通信手段の多様化に伴い、固定電話の有無などの要件は緩和されている印象)。
⑥ 資料内容不備
・口座開設時に求められている資料を正確に提出すること。
一度、銀行口座開設を否認されると、リカバリーすることはなかなか難しいため、しっかりと準備を行いましょう。
「銀行口座」タスクの事前準備
「銀行口座」タスクの事前準備には何が必要ですか?
「銀行口座」タスクとして、以下を準備しておきましょう。
- 銀行印の準備
- 事業用電話の準備
- 会社ホームページの準備
各項目について、以下で解説します。
銀行印の準備
銀行印については、「銀行印(会社印)」タスクにおいて、印鑑3点(4点)セットの一つとして作成済みかと思いますので、既に作成済みの銀行印をご利用ください。
・銀行印は、会社設立申請前に実印や角印とセットで一般的には発注。
・会社の実印と銀行印は、印鑑紛失の際のリスク対策等の観点で、別々に作成することが多い。
もし、銀行印をまだ作成していない場合には、以下の外部リンク先で購入しましょう。
外部リンク先(印鑑製作会社)
(商品/サービス概要)
・はんこ作成専門のはんこプレミアム株式会社が運営する公式通販サイト。
・長年愛用されている水牛はんこ商品から斬新なチタンはんこやオリジナル商品まで約30種類の印材を取り揃え、低価格で高品質なはんこを提供。
事業用電話の準備
次に、事業用電話です。
こちらは、「創業FLOW(事業用電話)」において、内容を整理しておりますので、ご参照ください。
・固定電話以外の利便性の高い通信手段の拡大に伴い、審査上の重要性は低下傾向にあると感じるものの、銀行口座開設時の審査基準の一つに、事業用電話(市外局番など)が設けられている場合もある。
会社ホームページの準備
最後に、会社ホームページです。
こちらは、「創業FLOW(ホームページ)」において、内容を整理しておりますので、ご参照ください。
・銀行口座開設時の審査基準の一つとして「事業実態の有無」の確認があるが、会社ホームページで事業内容の確認等が実施される場合がある。
代理申請が可能なケースもあるが、通常は自身で銀行口座開設を行う
銀行口座開設は、自分で実施するのが一般的ですよね?
はい。通常は、ご自身で金融機関にて銀行口座開設申込みを行います。
法人用銀行口座開設では、まずはネットバンク口座の開設優先がおすすめ
ここまでの説明で、「ネットバンク」と「ネットバンク以外」の銀行口座を1つずつ開設すると良いことが分かりました。
まずはどちらを優先すると良いでしょうか?
そうですね。
早く事業用銀行口座を開設したいという方は、オンラインで手続可能で、相対的に審査期間が短いと言わるネットバンクでまずは口座開設を進めてみることをおすすめします。
承知いたしました。
代表的なネットバンクを以下に記載しておりますので、ご参考にしてください。
外部リンク先(ネットバンク)
(商品/サービス概要)
・GMOあおぞらネット銀行は「あおぞら銀行」と「GMOインターネットグループ」のグループ会社。
・最短即日で法人口座の開設ができ、同行宛取引手数料無料、他行宛取引手数料は145円/件とリーズナブル。
「銀行口座」タスクの作業手順
さて、本題となりますが、「銀行口座」タスクの作業について教えてください。
「銀行口座」タスクの作業手順概略は以下の通りです。
作業手順概略
(1)各自のニーズに合った金融機関を選定
(1)登記簿謄本等の必要書類を準備
(1)申込みフォームへの記入等を通じて銀行口座開設申請
(2)追加書類の提出等(必要に応じ実施)
作業手順説明
Step 1(銀行口座開設先の選定)
まずは、自身にあった口座開設先を選定しましょう。
特に、金融機関のこだわりがない場合はどうしたらよいですか?
まずは、ネットバンクにて口座を開設してみましょう。
再掲となりますが以下に主要なネットバンクのリンク先を紹介します。
そしてその後、メガバンクや地方銀行等、ご自身の周りの実店舗のある金融機関にて直接またはオンラインで口座開設の申込みを行ってみてください。
分かりました!
・まずは、短期間で口座開設が可能なネットバンクにて口座開設を行う。
・その上で、ネットバンク口座開設後又は同時並行でメガバンクや地方銀行等の実店舗がある金融機関の口座開設に着手する。
外部リンク先(ネットバンク)
(商品/サービス概要)
・GMOあおぞらネット銀行は「あおぞら銀行」と「GMOインターネットグループ」のグループ会社。
・最短即日で法人口座の開設ができ、同行宛取引手数料無料、他行宛取引手数料は145円/件とリーズナブル。
Step 2(必要書類の準備)
申込みにあたっては、個人の時に必要な書類に加え、会社の登記簿謄本や定款などが必要になるんですよね?
はい、その通りです。
また、会社の運営実態の分かる資料もなども提出を求められることがあります。
・口座開設の申請に際し、一般的に、以下の書類の提出が必要となることが多い。
- 会社の登記簿謄本(履歴事項全部証明書)
- 会社の印鑑証明書
- 代表者の印鑑証明書
- 代表者の身分証明書
・その他、必要に応じ、会社の運営実態がわかる資料(見積書や発注書などの既に実際に事業を行っていることがわかる資料)や、事業に関連する許可証等も必要になることがある。
登記簿謄本や印鑑証明書は、オンライン経由での取得が可能ですので、積極的に利用してみましょう。
また、会社登記完了後に、法務局で「印鑑カード」を取得する場合には、一緒に、会社の登記簿謄本と印鑑証明書は数部取得しておきましょう。
・会社の登記簿謄本や印鑑証明書は法務局に出向いて取得する方法に加え、法務局が提供する「登記・供託オンライン申請システム 登記ねっと 供託ねっと」からオンライン申請し取得することもできる。
登記・供託オンライン申請システム 登記ねっと 供託ねっと
Step 3(銀行口座開設申請)
(1)申込みフォームへの記入等を通じて銀行口座開設申請
Step 2 で準備した資料をもとに、
オンライン又は実店舗での銀行口座申請を行いましょう。
ありがとうございます。早速、口座開設手続に着手してみます!
ちなみに、口座開設まで一般的にどのくらいの時間がかかりますか?
一般的に、ネットバンクで1~2週間程度、ネットバンク以外では2週間~1ヶ月程度の期間を要します。
追加書類が必要な場合には、その分、口座開設までの時間が延長となりますので、時間的余裕をもって取り組みましょう。
(2)追加書類の提出等(必要に応じ実施)
起業当初は、実際に取引が生じているケースが少ないと思いますが、他者への見積書や提案書など、”現在事業を行っていることが分かる具体的な資料”の提示を求められるケースも珍しくなく、銀行口座開設のハードルは年々上がっているように感じます。
起業当初の銀行口座開設では、追加提出資料を求められることも多いため、慌てず、必要な資料をしっかりと整えて銀行へ再提出しましょう。
・特に、事業内容な不明瞭な場合やバーチャルオフィスの場合には、追加提出資料などの指摘を受ける可能性が高い。
おわりに
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